明日7月15日(水)より、あべのハルカス近鉄百貨店にて個展を開催される佐竹佳奈先生にお話をお聞きしました! -今回の個展のテーマを教えてください。 テーマは四季です。 折々の植物と私の思う日常風景を描きました。 描いてみたい植物や事柄をひとつひとつ、制作していきました。 「足下暗し」F4 -サブタイトルの意味を教えてください。 サブタイトルは「四季への憧憬」としました。 私たちはある植物の花が咲くと、あぁ春になったなぁと思い、ある植物の実を見つけると、もうこんな時期かと驚きます。 人と自然は密接な関係にあり、そのような暮らしを私は好ましく思います。 四季が曖昧になってきたからこそ、いつまでもこのような感覚を忘れたくないと思い、サブタイトルにしました。 -佐竹先生自身が自然と密接になっている…と感じる場面は例えばどんな時ですか? 上記のように植物の変化でももちろん感じる部分はありますが、私が季節をより感じるのは風の温度が変わったときです。 ある冬の日に、一歩外に出た瞬間「風が暖かい!」と感動したことがあります。 とうとう冬も終わったのだとほっとしました。すごく寒がりなので。 「風になる」F4 -制作されてきた中で心境の変化はありましたか。 最近はやはり新型コロナウイルスの影響でいろいろなことを考えました。 取材一つとっても、限られた花の時期、そのときにその場所へ行けるということがこんなに ありがたいことなのだと感じました。 -あべのハルカスでは、約2年ぶりの個展となりますが、作品の変化はありましたか。 大きな変化はなく、相変わらず土絵具を用いてすずめを追っています。 しかし、遊びをテーマにした作品を制作する上で、歴史をモチーフにした作品を描くようになりました。 例えば牛若丸と弁慶、武田信玄、立花道雪などです。 それらをすずめに置き換えて少しとぼけた様子にするのが楽しいです。 「綱引き 夏の陣」M8 こちらの作品は「大阪の陣」より、伊達政宗と徳川家康を描きました。 -なぜ歴史に興味がわくように? 詳しくはないのですが、元々歴史やことわざは好きでした。 「葉っぱの的」P30 食文化を辿るのも好きで、餅花や繭玉飾りなどお菓子をモチーフにしたこともあります。 「葉っぱの的」は実は平家物語の「扇の的」がもとになっています。 源氏と平家が海沿いで向かい合い、平家は船の上に扇を的として立て、「当ててみろ」と挑発します。 源氏川の弓の名手、那須与一が見事に扇を射ち落とし、敵からも味方からも称賛された…というお話です。 今は、展示会で行く先々にはどのような人物がいて、どう生きたのか調べるのが楽しいです。 そして少し調べるだけで面白い逸話があったりします。 -今後新たに挑戦したいことはありますか。 歴史やことわざを用いた作品を描いていきたいと思っています。 まだまだ浅い知識ですが、それでも興味深い逸話が沢山あります。 最近気になっているのは土屋昌恒です。 いつか描いてみたいと思います。 -今回の出品作の中で一番見てほしい作品を教えてください。 「またこの場所で」です。DMにもなっている作品です。 「またこの場所で」P10 モチーフはオステオスペルマムという、家の花壇に咲いた花です。 今年は何故か沢山咲いて、埋もれてしまうようだったのが美しく、印象的でした。 作品の色以外にも沢山の色があるようです。 また来年も会えたらいいなという気持ちを込めました。 -最後に個展を見て下さる皆さまに一言お願いします。 コロナ禍の折り、ご覧下さいますこと誠にありがとうございます。 少しでも皆様の心安らぐ時間となりましたら幸いです。 佐竹先生、ありがとうございました! 個展は明日、7月15日(水)より開催いたします。 あべのハルカスでは2年ぶりの個展となっております。 この機会に是非ご高覧下さいませ。 過去のインタビューはこちら↓ http://blog.livedoor.jp/soratobu_penguin/archives/9212168.html 「佐竹佳奈 -四季への憧憬-」 7月15日(水)~7月21日(火) 会場:あべのハルカス近鉄本店 タワー館11階 アートギャラリー 出品作家:佐竹佳奈 作家来場日:7月18日(土) 13時~17時 佐竹佳奈はすずめなどの小動物をモチーフに「日常生活」をテーマにして日本画を制作しています。 普段生活している中では様々な感情が芽生えます。 他者への感謝や自然への感動などふと忘れがちな思いを再認識するために描くという作品の数々。 土絵具を使用した画面はより深みを増し、絵の中の主人公の存在を印象付けます。あべのハルカスでは2回目のご紹介となります。 ふと歩みを止めて一息つけるような、安らぎを感じられる動物たちの表情を是非ご高覧下さいませ。