刻一刻と変わりゆく季節。一瞬一瞬を味わうように大切に過ごし、一瞬一瞬の煌めきを画に閉じ込めたい。 幼少期、牡丹、藤棚、椿や梅に桜、水仙、柿や栗や柘榴、西瓜や南瓜とたくさんの植物のある環境で育ちました。それらに集まってくる小さい生き物とも慣れ親しんで、自然と絵を描くようになりました。植物にはひたむきに無心に、ただ今を懸命に生きる姿に強さを感じると共に誠実な美しさを感じます。植物や昆虫のフォルムや色彩は計算された美しさがあり、それらは音楽のように様々なハーモニーを奏でます。単に山川草木を描き写すのではなく、自然観と精神性が融合され、いつの間にかに汎用に見えるようになった世界を瑞々しく捉えなおす、私はそんな画を描きたいのです。