春夏秋冬、その時々の自然の花や生き物たちから、風雨から、空気の温度、匂いから季節の移り変わりを感じられること、それを絵画に表して季節の訪れを寿ぎ楽しむ花鳥画が好きです。近年は夏が長く冬が短く、四季のバランスは昔とは違いますが、画面の中では今も昔も変わりません。
花鳥画に金箔や雲母といった伝統材料を使い、盛上や截金の古典技法を取り入れて、光線により移り変わる箔や雲母の輝きや、截金の繊細な輝く金の線で織り上げるように装飾して描きました。四季の美しさ、輝きを表現できたらいいなと思います。
※截金とは、仏教美術において仏を荘厳(しょうごん、美しく厳かに飾る)するために使われた、金箔をごく細く切って貼り付ける技法。日本では奈良時代から作例がある。