”フェティシズム×美人画”北島優子×”SM女王様”Dmina R様

 

”フェティシズム×美人画”北島優子×”痛みを快楽に変えるSM女王様”Dmina R様 対談公開!

■”好き”が高まる人の話が好き


(北島優子)※以下K)
衣装は全部日本で購入されるんですか? 
(Dmina R)※以下R)
靴類と衣装類とラバーとおおまかに分けるとありますが、日本のメーカーがあまりないんですよね。
物によってははありますけど、コルセットとか職人さんが作っていることが多くて、
すごい手間がかかりますし、大きな市場にはならないみたいです。
なので、海外からが多いですかね。
職人さんも多くて、市場の大きさも日本とは一桁とか違うくらいの気がします。
K)全然予備知識ゼロできたんですけど、文化として日本と海外はそういった嗜好を
オープンにする感覚が全然違いますか?
R)結構オープンですね!
最近ドイツ行ってきたんですけど、ジェンダーもそうですし、セクシャリティに関しては
肌感覚で感じます。
K)一つの趣味みたいな感じなんですかね。
R)そうですね、ただ私の周りにはSMやフェティッシュな方々のコネクションが多いので、
そのコネクションの中での感覚ですかね。
でも日本人とそれは同じで、例えば家庭がある人とかもいて、
そういう秘められた楽しみみたいな意味で楽しむ人ももちろんいっぱいいますね。
K)いつも写真見て不思議で、どう使うのかなってのも多いです。
寝てる時に圧縮パックみたいにされてるやつとか。
R)ラバーのバキュームセットっていって結構大変なやつですね!
K)キャンプみたいな、R様のサイトを見て初めて見て知る物も多くて。
R)これは圧縮されるのを楽しみ感じで。プレスされていく感じで、
圧迫感というか閉じ込められて、面になるというか壁になるみたいな感じですかね。
K)包まれながら物質になるみたいなテーマというかコンセプトなんですかね。
R)自由の利かない拘束されるのを楽しむ感じですかね。
K)個人的にはですごい一番気になるプレイです!
R)大型拘束座談会みたいなオフ会的なこともやりたいですね!
K)私は割りと趣味に対して淡泊な分、深いところまで“好き”が高まってる人の話を聞くのが大好きなんですよね。

■SMに出会って世界が開けた


R)個人の欲深さみたいな、性癖ってクリエイティブなんだなみたいな。
そういうことを思いつくんだねみたいな。
快感しか生まないクリエイティブですけどねw
K)快感と直結するってことですよね?
R)そういう人にとってはそうですね。
この世界を始めて知った時も、なんて言うんですかね。初めて海外旅行に行った時の様な、
天地が逆さまになるみたいな感覚で。
SMバーに初めて務めた時に衝撃だったのが、お客様が来たら“いらっしゃいませ”とかいうと思ったら
“なんで来たんだよお前”って迎えていて。
これまでのサービス業の常識と真逆で、すごいビックリしましたね。
K)でもそれでも相手の方は凄い喜んでいるんですよね。
R)もちろんそうですね、まあ相手を見てというのもありますけど。
それで成り立つ世界もあるんだなと思って。
K)プレイされる方たちも自分の快楽に対してとことん追求していく頑張り屋さんですよね。
R)そうなんです。その先に気持ち良いなという感覚があるからなんでしょうが、
自分の快楽に対しての頑張りがすごい。 
K)見たことのないものとか、すごい見たいので、そういう探求心がある方に毎日会えるって
すごいですね!
私はいわゆる美人画を描いているので、綺麗な女の人を描かなきゃいけないのかなという時期もあって、
少しモチベーションを保てない時もあったんですけど。
全然知らない世界を見てると思うと凄い興奮してきて。
R)おっしゃってましたね!私に会って、世界が開けたみたいな、自分の価値観が変わりましたみたいなこと。
その感覚って私がSMの世界に出会った時の感覚にすごい近い気がしました。
K)自分の描きたいものに出会えた感覚がありましたね。
R)私もなりたい自分に出会えたのがSMに出会った時だったので、凄い分かるなと思って。
私はそれまでは、高校卒業してから、美術の専門学校みたいなところに入って、そこで絵画を勉強してたんです。
でも絵画がやりたいっていうよりも、その教えてくれる先生のことを知りたいみたいな感じでした。
アーティストになりたいと言ってはいたけど、漠然としていて実現性があまりなくて。
色々作品を描いてみても、例えば既にやられている技法だったりすると、自分ものではない感覚もあって、
結局描いても誰かの作品に似てるねって言われて終わって、
これで何を伝えたかったのって言われると何だったんだろうみたいな曖昧な感覚でした。
それで就職とかもあまり興味がなかったので、なんか面白いことをやりたいなと思っていました。
学生時代にいわゆる水商売とか、夜の仕事をしていたので、他の性風俗のお店とかもあったので、
自分の性に対して探究しながらお金を稼げる様にしたいなと思いました。
あと、ファッションにも興味あったので、それも学びながら、何かしら文化的な業界で、
かつセクシャリティとかに関わっていることを探した時にSMバーの求人を見つけて、ここが面白そうだなと感じました。
入ってみると、今まで経験した色々な人間関係の中で、見たことのない信頼関係の構築の仕方を見て、
すごい面白く感じました。
それまでの水商売だと、お客様に向かってすごい褒めちぎって、ご機嫌取ったりしていてストレスも感じていましたけど、
SMに関しては普通にすごい楽しかったです!日本で初めてこんな面白いことあるんだって。
そのお店は、SMショーもやっていたんですが、そこで初めて緊縛とか、文化的なSMの片鱗を見て、
緊縛する所作も含めて凄い美しく感じました。
K)それって何年くらい前のお話ですか?
R)それが11年前ですね。

■自分らしく、強い女性が好き


K)それは表現として魅了されたってことですか?
R)そうですね、先輩の女王様がやっているのを見て、凄いかっこいい!あれやりたい!って思いました。
そこからSMの色々な世界を見ていたら、自分の破壊衝動みたいなものもSMの中で
実現できるかもしれないと思いました。人生の点と点が線になった感じがしましたね。
女性のジェンダーロールみたいなのもあるじゃないですか。
女性はやっぱり可愛くて、男性主体で求められている女性像みたいな、そういうジェンダーロールに縛られていました。
女性って一言で言っても、その中にいろんな女性像があって、自分の求めるジェンダーでいるべきだし、
自分自身の生き方とか性格とか、スタイルをSMの中で築いていけた感じがします。
K)私の場合は中学生の頃にマドンナのエロティカを見て、
自分の表現にボンテージファッションを利用する強さがすごいかっこいいなって思いました。
やっぱり女の子はすごく可愛くあるべきというか、アイドル文化が流行っている中で、私は強めの女性がすごい好きで、
スーパーモデル特集とか読んだりしていました。
女王様も色々な女王様っていらっしゃいますか?
R)そうですね、可愛い系の女王様とかいらっしゃいますけど、それでもやっぱりどこか攻撃的な一面もありますね。
K)私が好きな女王様像は、いわゆる王道タイプですけど、色々な方がいるんでしょうね。
R)あんまり自分のことを客観的には見れないんですけど、その中でも私は可愛い系ではないのかなって。
K)少なくともかっこいい方ですよね。
R)自分で言うのも変ですけど、クールな感じなのかなと思ってます。
あと最近は、自分の中に日本人らしさみたいなのを残しておきたいなと思っています。
金髪、短髪だった時期もあったんですけど、その時は女王様としての見え方はあんまり意識してませんでした。
SMアイドルだったので、なんかそのアイドル現場とかで印象深く、反骨心をイメージしていたんですが、無理な感じもしました。
なので今は、黒髪ロングにして日本人らしさを残しつつ、自分の女王様像を作りたいですね。
K)短い女性ってあんまりいないですよね。
でも、R様は描きたいです。頭の形がすごい良くて、おでことかすごい良くて、たまに無性に描きたくなって。
今回も、すごく似合ってるから好きなんです。
R)今回もボブの作品あったじゃないですか。だからなんかすごく反発的なタイトルをつけたくなって。
なので「どうせ君にはわからない」というタイトルにしたんですよ。

「どうせ君にはわからない」

今回は作品のタイトルも付けさせて頂いたじゃないですか。
作品の写真を頂いて、何がいいかなって考えたんですけど、あのボブの上目使いの作品が一番初めにタイトル浮かびましたね。
なんか油断するんじゃないみたいな感じで、突き放す感じがちょっと好きですね。
K)うんうん。「全部受け入れるよ」たいな感じじゃないところが大好きで。
R)「全然心の距離が縮まっていないよ。」みたいなことを言われる時もあって。
「あ、そうかもね。心開いてないからね」とか言って。
K)でもこのご時世にそういう精神がすごい好きで。寄り添ってとか今よく言われるじゃないですか。
R)棘のないものが好まれますよね。表現でもなんでもね。 
K)R様ってこんなビジュアルで、こんなこと考えててって感じなのに、意外に凄い泥臭いというかw
R)泥臭いんですでよ私。 普通なんですね、内側が。女王様なんですけど庶民なんでw
K)なんかすごい絶妙のバランスで君臨していて良いですね。それに孤高で、誰かと一緒にいない感じが凄い良い。
R)でも自分にしかないスタイルはまだまだ確立できてないような気がしてる。
K)それはもう80ぐらいになってからでもw
R)そうですね。死ぬ前に1個見つかればいいかなって感じですねw
K)でもテレビとかメディアで拝見すると、また全然違う雰囲気ですよね。
R)だいぶ前ですけど、アイドルやっていた頃の千鳥さんの番組ですかね。
基本的な部分は変わらないですけどメンタルでもだいぶ違うかな。
アイドル後期はモヒカンとかにもしてたんですけど、まだ可愛いの中にいる感覚でしたね。
アイドル文化にSMの人として爪痕を残したかったから。いきなりハードルが高いと見てもらえないし、
始めは少し取っつきやすいイメージで行きたいなと思ってたっていう意識でしたね。
K)それも結構計算の上で意識していたってことですかね。
R)うん、そうですね。まあうまくいったかわかんないですけどw
なるべく取っつきやすく言ってたんですけど、やっぱりアイドル業界に入った時はざわめきましたねw
なんだこいつらはみたいなwその業界の人にはお前らみたいな奴らが来るなみたいなこと言われたし、
逆になんかSM業界の人からもチャライことしてるなみたいに思われてて、四面楚歌みたいな感じでした。
まあでもいい仲間に恵まれたから続けられてます。
K)でも確実に一つのステップですよね。
R)アイドル時代があったから続けられている気がするし、
独立しようと考えたのもアイドル時代にできなかったこととかもあったからというのもあると思いますね。
女王様って技術極めたりとかする人が多いからか、どこか職人気質みたいなとこがあるんですよね。
あと私は人に任せるのが苦手な面もあります。
自分で一回やってみて、何が表現できるのか、自分が知らないと人にも任せられないなと思ってるので、
とりあえず自分でやろうと思っています。動画編集とかもアイドル時代から始めて、
それが今自分の仕事の一つにもなってるし、良かったです。

■センスの共有


K)動画編集とかされていたり、家にいるときはほぼ職人さんですね。
R)それだけに終始したくないですし、ほんとは映像編集を人になるべく任せたいんですけど。 
K)人に任せられない面もあるってことですね。
R)そうそう。自分でやるのも楽しいところも正直なんかあって、
自分の脳みその中に絵コンテみたいなものがきちんと現実になっていて上手くいった様な。
そういうときは嬉しいですね!
それが再現されるなら他の人に任せたいんですけど、ただ例えば色味とか、どこでカット入れるかとか、
そういうのってセンスになってくるじゃないですか。
システム化できないことだから、誰かに委託するにしても、センスのすり合わせが必要なので。
その感覚わかってくれる人じゃないと難しいだろうなと思います。
しかもその感覚って、一般的な感覚とは違うんです。SM業界で特に言われるのがラバーの、
全身真っ黒ずくめの動画ってどう編集したらいいか分からないって言われるんですよね。
視覚的には何がいいか分からないみたいな。フェティッシュのセンスがないと、全部カットになっちゃったりして。
でも、センスが分かる人だと、ラバーを着て、喋ったり手を握り合うだけでもグッとくるものがあるけど、
そういうセンスがないと、直接的な性表面じゃないから良く分からないから全部カットになってしまいます。
K)ラバーは感覚が凄い研ぎ澄まされる感じなんですね。プレー自体はちょっと独特ですよね。
R)独特ですね。皮膚の感覚が生まれ変わるみたいな、全身が粘膜になるみたいな、だからすごい敏感になる感じですね。
体の内臓とか内側が外側になるっていうか。
K) 全然わかんないw
R)だから言語化がすごく難しくて、でも言語化出来るならそれで終わっちゃうから、ラバー着てやる感じですかね。
K)敏感になるみたいな感じですかね。
R)うーん敏感っていうか、感覚が生まれ変わるですよね。敏感ともちょっと違うような。私の感覚ですけど。
K)皮膚が入れ替わるみたいな、違う皮膚になった様な。
でもすごく密閉されてあれです全然。 空気通さないんですよね。
R)そうですね、汗もそうだし、ラバーを着る時って、オイルで体をヌルヌルにした状態で着るんですよ。
じゃないと摩擦でなかなか着れなくて。だから薄いの被膜の中にいる感じですね。
K)それは特殊な感じしますね。たまに自分のやっていることを客観的に見てみたいと思うことはありますか。
R)ああでも面白いなと思います。
K)今、何をしているんだろうって結構ありそうですよね。本当に非現実的な感覚になれるんだろうなって。

■全てのものにフェチが宿る


R)凄い不格好な姿勢でプレイしてる時とか、後ろから見たらダサイんだろうなとか思ったり、
終わった後の道具の片付けをしていて、すごい不思議な気持ちになったり。
K)冷静になったらこれはなんだろうって感じですよね。得意なプレイとかはあるんですか?
R)拘束プレイ全般は得意かなと思います。私の性癖というか、
性格として、拘束されてる状態の人をいじめるのが好きなんですよね。
どこか一か所でも何かしらの自由を奪っているのが好きかな。
先輩方にはもっと凄い技術がある人も多いので、得意プレイっていうの少しおこがましいですけど。
それでどこかしら拘束したことがスイッチになるかなと思ってて、
相手もそれがスイッチになってくれる人だとフィーリングが合うかなって思いますね。
K)逆に苦手は?
R)あんまりないですけど、基本的に粘膜接触はしないようにしてますね。
衛生管理をちゃんとしたいっていうこともあります。
私のSMの世界観には合わないかなと思ってNGにしてますね。
K)想像つかないんですけど、女王様と粘膜接触の組み合わせはあんまりいないのかなと思ってました。
R)女王様の中でもM性感とか痴女みたいな人はやる方もいると思いますね。
ただ私はあまりそのお客様との平等感というよりは、私が上にいて、与える側になっていたいっていう、
女性上位の感覚が好きなんですよね。だから対等な立場には行きたくないっていうのもあります。
まあ苦手というよりはやらないプレイですかね。
あとは、そのプレイは私じゃなくても良くない?って思う様なのも苦手ですね。
苦手というよりは嫌いかな。やらないですねw
あと、スカトロプレイが苦手な女王様とかもいると思うんですけど、私はそんなに嫌いじゃないですね。
ただやるための努力というか、セッティングがすごい難しいので、頻度としてはそんなにやらないんですけど。
K)ああなるほど。
R)本来排泄物を、人間がこれだけ閉じ込めてきれいになろうとしているのに、
それを全身で受け止めるっていう。
それは人間の一番狂った部分に触れることができるかもしれなくて、結構好きとさえ感じますね。
K)確かにその追求している人に羨ましささえ感じますね。
R)自分は受ける側には絶対なれないことなんだけど、与える側としては凄く面白いなと思うし、
それを受け止めてくれた時に母性みたいなものも出ちゃいますね。
K)基本女王様って割と母性強そうですよね。
R)母性があるからこそ女王様ができるような気がしますね。サディズムだけだとやっぱり仕事にはならない。
K)包まれている感というか、安心感ってありますよね。
R)安心してないと体を委ねてくれないですしね。
たまにその私も練習で人に縄をお互いかけあったりとかするんですけど、なんかそわそわする感じですね。
M側の人はそういうのを感じないぐらい私を信頼してくれてんだなと思うと、
与えたりする側としては嬉しいですね。
K)本当に色んなことがフェチになり得るんですね。
R)全ての物に魂があるじゃないですけど、全てのものにフェチズムがある。そんなところにも!?みたいな。
K)そう考えるとすごい素敵だなと思いますね。本当に描くものいっぱいあるんじゃないかなと思います。
R様は常に忙しそうですよね。

■妄想が広がるタイトルを


R)動画編集も並行してやってるから常にやることはあるかなって感じがしますね。
暇が苦手かもしれない。あんまり忙しさは感じてないかな。
でももう無理だなって思うと、1週間休んだりしますね。自由にスケジュールができる分、ガッツリ休んだりします。
一般職の方が月~金で務める方が、本当にすごいことだと思います。私はできないw
朝弱くて朝起きれないです、小学生の時から起きれなくて。ずっと夜型です。
K)もう天職ですね。
R)だから今は受付3時からにしてるんです。大体寝るのは朝4時くらいですかね。
だから、本当に一般職できないんですよね。
K)女王様が最高に似合ってるからいいですね。
R) それでどうにかなってよかったですね。自分のひらめきとか、こんなことやってみたいとか、
それですごい睡眠時間を削ったりとか、逆にその睡眠時間削った部分が後で来ちゃったり、
かなりすごい生活の波がかなりありますね。
K)個展の話するのすっかり忘れてましたw
R)個展の話しましょう!
K)まあでも絵を見てもらえればw
R)人にはこんなに聞くのにw
K)作品のタイトルも考えてもらってますし、楽しかったです!
あともし可能なら、作品に関して一言ずついただいたりとか出来ますか。
なんかまとめて一つの文章とかでもいいですし、それぞれ雑感一言ずつとかでもほしいなって。
R)見る人に向けてって感じですかね。
K)はい、私は絵の解説欲しい方なので。つけてくださったタイトルも凄いしっくり来た感じでした!
R)逆に今まではタイトルはどうやって決めてたんですか。
前の作品で「与える女」ってタイトルを付けていた時は凄いグッときました。
K)あれは直感で「与える女」にしようとずっと思ってて、タイトルから考えることもありますね。
後はあんまり長いと面倒なので、シンプルに分かりやすいやつが良いなと思ってます。 
R)人によってはタイトル考えずにナンバリングだけする方もいますよね。
K)私はせっかくだから想像できそうな、妄想が広がるようなタイトルにしようかなと思います。

■搾取ではなく、与える快楽


R)「与える女」のタイトルを見たときに、北島さんは私が思ってたよりも、
私のことをすごい深く理解してくれる人なんだなって思いました。
女王様は奪う側だと思われることが多いような気がしててヒールというか、
悪役っぽいイメージで、いじめ倒すしもう搾取するみたいな感じ。
その一面ももちろんあると思うんですけど、でもプロの女王様は快楽や喜び、安心を与える仕事なんですよね。
その手段として痛みとか奪うっていう表現をすることはあるけど。
でもメディアの仕事を受けていて思うのが、そういう搾取する女王様像を見たいという様な、
一般的な方が抱く女王様像と、現実の女王様像の違いをものすごく感じてたんですよ。
地上波のテレビで女王様が使われても、ただ「この豚野郎」って言って人を苛めて楽しんでる様な。
それはサディストとしての一面としてはあるかもしれないけど。
なんか本当に女王様の懐の広さは短い時間やちょっとしたキャスティングだと表現しきれないような気がしてます。
私もテレビのやりたい女王様をただやっただけになっちゃっていたので、
あれだと脚本を作って女優さんがやった方がいいと思うんですよね。
そう思ってあんまりメディアの仕事を受けるのをやめたいと思ったんです。
そのギャップを埋めたいなと思うんですけど、なかなかそれが表現としてできてなくて。
お客様は分かってくれてると思うんですけど。
その与える側であるっていう意識を少なからず持ってるということを汲み取ってくれたのはすごく嬉しくかったです。
私、多分そういうことを言ったことなかったと思うんですよ。
その本質として捉えてくれた、外部というか、業界以外の人ってあんまりいなかったから、すごく結構衝撃でした。
凄い深く探求してくれてるんだなって。
K)搾取のイメージは他の性の現場で働いている方の方が強い感じがしていて、逆に女王様は割と与えてる、
どちらもすごく楽しそうにしているのかなって勝手に思っていました。
R)そうですね、ライフワークにしている感じですかね。搾り取ってポイッて感じとは違うかな。
K)以前伺った時も、一緒に戦ってるみたいな感じで仰ってて、2人で共犯関係というか、
楽しいことを2人でやってる感覚がすごくポジティブというか。
それなのに凄い拘束されてて面白いなと思うってました。
R)だから、変ですよ。叩いてありがとうございますみたいなw
K)暴力表現みたいなことを一般的には言われてますけど、何か優しい雰囲気があるんだなって、
R様と出会って感じたので、そういう喜びと優しさが、描いてて楽しいなってすごく思います。 
R)タイトルって大事ですよね。タイトル見て、作品の世界観がガラッと変わっちゃうこともあるだろうなって思ってて。
だから、タイトルの中に私の毒みたいなのをこっそり入れたいなって言うのは思いました。
K)それでちょっとぼけてるのが、凄い締まるというか。タイトルつけてもらうと着地する感覚がすごいあります。
私にとってR様がつけてくれるのはすごい意味があることだなと思って。
R)私も学生の頃に描いてたときに、タイトル何ですとか、意味は何ですかって聞かれたりして。
K)なんか割と変なパクリみたいなタイトルになたりとかして。
最近やっと意味のあるタイトルってなんだろうと思うようになってきたので。
凄い頼んで良かったなって思います。
R)本当楽しかったです!こんな形で。私の悪意というか悪戯心が表現出来て。
K)この突き放す感じ。大好きですです。ほっこりじゃなくて、突き放している感じ。
R)それが多いかもしれないですね。これが「秘すれば富」ですね。

「秘すれば富」

K)これは一番面白かったです。 
R)なんかすごいぱっと出てきたんです。
特に意味は全然考えて無かったんですけど、なんかぱっと出てきて。
K)なんかだんだん意味がじわじわ出てきますよね。引き続きよろしお願いしたいです!
R)こちらこそ!楽しいタイトル付け。
K)あともし時間があれば、そのサイドストーリー解説みたいな一言とかなんかできたらいいなって。
次回は今度あのモノを食べてるところとか描きたいなと考えていて。
例えば詩を作るとか、そういうのが好きな人とか得意な人がいれば、
そこから絵を描いていくこともできますし。やっぱり才能がもう一つぐらい入ってくると、
面白いのができるなって。一人でやってる限界を感じますね。

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北島優子

北島優子

画材は、墨、胡粉、土絵具、岩絵具、アクリル、パステル等で制作しています。画題は女性像の場合が多いのですが、はえぎわの描写はできる限り執拗にと思っています。幼い時の妹の髪を編むときの心地よい緊張感、白い頭皮と細い黒髪のコントラストなどを心から美しいと思ったことが最も原始的で強烈な描く動機となっています。それから掴めそうで掴めない霧や煙のような一筋縄ではいかない女性の詩情を描こうとするとき人物の纏う衣装・装飾の表情や素材感に想いを重ねて描くことが多いです。衣類装飾は肌を覆いますがときに内面をあぶり出します。偏愛するものを執念深く描き切りたいと思いつつも、根底にどこか品を漂わすような人物像を描くことは永遠のテーマであり自分を解放し許すことでもあると思っています。 2021年 北島優子