5月14日より個展を開催する阿部千鶴先生にお話しを伺いました!
今回の個展のテーマを教えてください。
花を描く様になったきっかけは、イングリッシュガーデンを初めて見て、自然の中に溶け込むように色とりどりの花が風に揺れている様子に感動したことです。その清々しい心地よさを、幼い頃の記憶や、小さかった子供と過ごす日々を重ねて、花と少女を描いています。花を纏っているように見える様子から「はなまとい」と個展タイトルを付けました。
制作過程を教えてください。
①下描きをして、下地を塗った画面に転写。
下地を塗った画面は、高知麻紙を木製パネルに水張りしたものです。
②パーツに分けて、岩絵具で色を塗ります。
上から淡い色を乗せ、ヤスリがけや洗いを施します。
③転写が消えてしまった部分は、再び転写します。
④バックを塗って、細かい部分を描き込みます。砂子を撒いて完成です。
今回の個展の新作について、こだわりや思い入れを教えてください。
F10「花ごころ」
鮮やかな花の中に佇む女性。
不安のない晴れやかな心情を描きました。
F10「碧に澄む」
一刻も早く平穏な生活に戻れるよう願い、アマビエを描きました。
海の中で平和を願い、穏やかな表情で魚たちと戯れています。
15㎝×15㎝「たんぽぽの娘」
たんぽぽの妖精のような、可憐なイメージの少女を描きました。
15㎝×15㎝「わたの娘」
わたの様にふわふわしたイメージの少女を描きました。
F4「はなかんむり」
花の冠をかぶる、幸せな様子の少女を描きました。
キラキラとした少女の純粋な気持ちを表現しています。
F50「Garden」
花の中で眠っている女性。彼女の夢の中のような、幸せな情景を描きました。
色彩にこだわり、華やかな彩に包まれた世界を表現しています。
今回の個展では少女とお花を組み合わせた作品となっていますが、お花の種類はどのように選んでいるのですか?
表現したいイメージに合わせて、お花を選んでいます。初めに形で選び、色はイメージに合わせて変えています。お花と少女、どちらが先ということもなく、同時に雰囲気作りをしています。花は、描きたい雰囲気を表現できるのであれば、架空の花でも構わないと思っています。空想画のようなイメージでしょうか。
以前から娘さんをモデルに少女の作品を描いていますが、娘さんが成長するにつれ、少女を描く上で変わったことはありますか?描き方やこだわりなどございましたら教えてください。
普段から、娘にポーズをお願いして描いていますが、描く少女はあまり似ない様にしています。できれば、個性がなく誰もが感情移入できる姿を目指しています。
どうしても、娘の年齢に合わせた少女を描いてしまいますが、最近では娘も成長し、少女というよりは女性像として描けたらと思っています。
阿部千鶴先生ありがとうございました!
個展は5月14日(金)~23日(日)まで開催しております。
この機会に是非ご高覧くださいませ。
以前のインタビューはこちらから
◇2017年インタビュー
阿部千鶴作家インタビュー : Gallery Seek Official Blog (livedoor.jp)
「阿部千鶴 日本画展 -はなまとい-」
5月14日(金)~5月23日(日)
会場:Gallery Seek
出品作家:阿部千鶴
東京藝術大学を修了後、現在は創画会で活躍する阿部千鶴。少女や動物をモチーフとしていますが、その周りに広がる風景は優しい記憶のワンシーンを思い起こさせてくれます。絵本の中のような、抽象と具象の間を行き交う世界観を得意としていますが、そこには古典的な日本画という枠を超えた、親しみやすさが隠れている所も魅力に繋がっています。Gallery Seekでは約2年ぶりの個展となります。この機会に是非ご高覧下さいませ。