岸本浩希インタビュー2019

1129日(金)より約2年半ぶりの個展が始まります岸本浩希(キシモトヒロキ)先生にお話を伺いました!

岸本浩希2017最新
 

-今回の個展のテーマを教えてください。

「新しい風の中へ」
今までの自身のテーマを追求しつつ、新たな挑戦をすることの意味を込めてこのテーマにしました。


-2年半ぶりの個展となりますが、制作されてきた中で心境の変化はありましたか?

学生時代からずっと好きなアントニオ・ロペス・ガルシアの求心力のある写実性は今でも目指しているものですが、
年齢を重ねるにつれ、祖父の師匠である川端龍子の様なダイナミックさに憧れを持ったりしています。
その好きな先生方を自分なりに昇華して、作品に反映できたらというのが今の目標です。


-作品の変化はありましたか。

今回の作品の中でS40の「光の旋律」というパリのメリーゴーラウンドを描いた作品があります。
風景は自身のテーマですが、今までに描いたことのない風景を探していた所に出会いました。
昼の明るい時間には気にとめなかった美しい姿がそこにあり、馬が楽しそうに駆け回る中、光の電飾がメロディーを奏でている様に見えて・・・。
この世界観を作品にしたいと思いました。
「風景」というジャンルでは変わりないのですが、興味を持つポイントが少しずつ変化しているように感じます。

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「光の旋律」S40
 
-なぜ昔から風景に魅かれるのでしょうか?

祖父が風景画を描いていて、幼少期から自然と目にしていました。
ですが、東山魁夷の展覧会を見た時の衝撃が一番風景画に魅かれた原因だと思います。
また、今回の個展では「馬」という新しいテーマに出会いました。
制作していく中で新たな表現方法が生まれてくればいいなと思います。


-興味を持つポイントは例えば、どのように変わってきていますか?

今回の個展では、新しいことをテーマにしていますので、数点ですが新しく取材したヨーロッパの風景を描きました。
猫も今までに描いていない表情や季節を感じさせるものを意識してみたり。

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「心躍る」F4

今回の出品作の中の中でも「新風」12号は特に気に入っている作品です。
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「新風」 F12

-馬を描くようになったきっかけがあったのでしょうか?

フランスのシャンティー城に取材へ行った時に、シャンティー競馬場を訪れました。
走る馬の美しさと力強さ、優しい瞳に心を惹かれ、作品にしたいと思いました。
また、こちらの作品は、ちょっとしたこだわりとして、背景を水で湿らせてからフォークで削って「風」を表現しています。

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その後、「影貼り(縁蓋)」という技法を使っています。
日本画の伝統的な技法であり、輪郭外の彩色がしみ込まないように、描いた絵の上に型紙を置く技法です。
日本画以外は友禅染にも使われていますね。

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クリアファイルを切って、輪郭線を覆う
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その上から金泥をかけ、全体に砂子をまいて・・・
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完成!


-最後に個展を見て下さる皆さまに一言お願いします。

今までの作品は風景や猫を描くことが多かったのですが、2年半ぶりの個展という事も有り絵を描く事に対しての考え方や表現が少しずつですが変化があったと思います。
その中で新しく「馬」というテーマに挑戦したりと、変化した様子を楽しんで頂けたら嬉しく思います。




岸本先生、ありがとうございました!
個展は1129日(金)より開催いたします。是非ご高覧下さいませ。

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