Lovers

開催概要

場所
Gallery Seek (旧店舗)
アーティスト
加藤裕生 塩月悠 中上誠章 疋田正章 米村太一 玉井伸弥
タグ
内 容

女性像を描いた新作展Loversを開催致します。タロットカード「The Lovers」のカード番号6にちなみ、作家15名に6号サイズで描いて頂きました。それぞれの美意識を感じさせる作品をぜひご高覧下さいませ。

関連アーティスト

中上誠章

生命感と光の諧調の豊かさを持ち味として、人物や猫をモチーフに描く中上誠章(1961年生まれ)。その画面に捉えた季節が何なのか。女性なら、年齢の違いの良さが伝わるように。猫なら、家猫と野良猫の違いが、一瞬で感じられるように。画面の全てを色彩で捉えることにより、実際には油絵の匂いしかしないが、鑑賞者の想像力に訴えかけ、光の色や風の香りまで表現します。   生まれつき左利きだった中上誠章は、幼少時代に右利きに矯正され、20代後半までは右手で作品を描いていました。そうして描きあげられた作品に魅力を感じられず、筆を折ることばかり考えていましたが、クレーの「文字で汚れた右手では描かない」という言葉に出会い、生まれて初めて左手で描いてみたところ、味のあるニュアンスが画面に加わり、作品に生命感が生まれる様になりました。そこからは基礎的なデッサンを重ね、右手でも同様のニュアンスが画面に加えられる様になり、現在は両手で描き続けております。   構図や様式美への追求や、好きな作家に近づきたいというわけではなく、形や色の正確さに自らの感覚によるニュアンスを加え、モデルの美しさを拾い上げていく。下絵なしに描き始めることで、迷いや選択の中から自らも気づかなかった魅力を引き出す、生きた表現。それにより、正しさだけでは届かない、ニュアンスによる美へ近づいていきます。そうした積み重ねにより、ただ塗り分けるだけでは到達できない、強い生命感に支えられながら内在する、繊細さを備えたある種の脆さまでも描き出します。抜けるような白い肌でも、触れば温かみがあり、ざらつきがあり、息をしている。そんな当たり前のことを再確認しながら、そこに存在する“美”を描く。自らを不器用と語り、小細工もなく、正確な色や形にこだわりぬき得たニュアンスで到達した“美”へのアプローチ。流行のリアリズムとは異なる写実絵画を追求しています。     中上誠章 HP http://www7b.biglobe.ne.jp/~seisho/