藤井 誠 油絵展

開催概要

場所
会場:
アーティスト
古賀充 中上誠章 中村祐子 野地美樹子 疋田正章 藤井誠 米村太一 coppers早川 大舘智 公庄直樹 平林孝央
タグ
作家来場日
作家来場:5/17(土),18(日)
内 容


水と光をテーマに、穏やかで優しい風景を描く洋画家・藤井誠の個展を開催いたします。ささやかで琴線に触れる油彩画を展示いたします。
是非この機会にご高覧賜りますようご案内申しあげます。

関連アーティスト

中上誠章

生命感と光の諧調の豊かさを持ち味として、人物や猫をモチーフに描く中上誠章(1961年生まれ)。その画面に捉えた季節が何なのか。女性なら、年齢の違いの良さが伝わるように。猫なら、家猫と野良猫の違いが、一瞬で感じられるように。画面の全てを色彩で捉えることにより、実際には油絵の匂いしかしないが、鑑賞者の想像力に訴えかけ、光の色や風の香りまで表現します。   生まれつき左利きだった中上誠章は、幼少時代に右利きに矯正され、20代後半までは右手で作品を描いていました。そうして描きあげられた作品に魅力を感じられず、筆を折ることばかり考えていましたが、クレーの「文字で汚れた右手では描かない」という言葉に出会い、生まれて初めて左手で描いてみたところ、味のあるニュアンスが画面に加わり、作品に生命感が生まれる様になりました。そこからは基礎的なデッサンを重ね、右手でも同様のニュアンスが画面に加えられる様になり、現在は両手で描き続けております。   構図や様式美への追求や、好きな作家に近づきたいというわけではなく、形や色の正確さに自らの感覚によるニュアンスを加え、モデルの美しさを拾い上げていく。下絵なしに描き始めることで、迷いや選択の中から自らも気づかなかった魅力を引き出す、生きた表現。それにより、正しさだけでは届かない、ニュアンスによる美へ近づいていきます。そうした積み重ねにより、ただ塗り分けるだけでは到達できない、強い生命感に支えられながら内在する、繊細さを備えたある種の脆さまでも描き出します。抜けるような白い肌でも、触れば温かみがあり、ざらつきがあり、息をしている。そんな当たり前のことを再確認しながら、そこに存在する“美”を描く。自らを不器用と語り、小細工もなく、正確な色や形にこだわりぬき得たニュアンスで到達した“美”へのアプローチ。流行のリアリズムとは異なる写実絵画を追求しています。     中上誠章 HP http://www7b.biglobe.ne.jp/~seisho/

藤井誠

日本人の持つ美意識を、油彩という西洋の技法で写実的に描くことで、日本画とも洋画ともつかない、新しくもどこか懐かしい、「日本の写実」をテーマに制作する藤井誠(1984年生)。かつて印象派の画家たちが日本の浮世絵にインスパイアされ、新しい表現を開拓していったように、再度現代において日本と西洋の融合を模索しています。   形の定まらないものが揺れ動く様を油絵具で描き出すために、「水」をモチーフとして選び、描く度に姿を変えることの面白さや、造形的な美しさに惹かれて描き続けています。風に揺られ、光により色も変える、形のない物を感じられるような表現を目指す作家にとっても大切な存在となっています。   大学時代の恩師の「自分が死んで数百年たったあとの作品が、言葉も文化も全く違う未来の人に見つけられたとき、これは宝物に違いないと思って大切にされるような作品を作りたい。」という言葉に感銘を受け、流行を超えたところにある普遍的な強さを表現したいと思い、派手ではないが長い間見飽きることがない作品を目指します。   石膏地を支持体とした、伝統的な油彩画の技法をもとにした技法を使うことにより、塗り重ねられた透明色が作品に深みを加えます。また、この技法は石膏地に油絵が非常に良く吸着することから、長く保存が出来る技法としても知られており、長く愛される作品を作りたいという作家のスタイルに重なります。   特別な名所や景勝地を描いたものではなく、身近な足元の風景を描いたもので、決して派手な絵ではないが、日常の中に隠れた、身近でありながら美しい大切な風景を描き続ける“緩やかに優しい”作品。水の反射や、あえてアングルを近くして描くなど、例えるなら俳句の様に、描かれていない部分を私たちに想像させてくれます。   藤井誠 HPより