新しい季節がやってきて花が咲きその美しさに気づくと、いつも早く描かなければならない、と思います。私にとって花の絵を描くことは、一期一会である生命との対話なのではないかと思います。今回の個展では「水と咲く」と題した新作シリーズを出品します。水を背景に様々な花が咲く情景、日々私が身の回りでよく出会う植物を中心に描いたものです。そして、時が過ぎて花が枯れ果てても、水は変わらずに在り揺らめいています。それが私にとって、安定した世界の象徴であり希望のように思います。水の光が瞬き、刻一刻と変化し動き続ける光景を一枚の絵するということ。現実ではないけれど夢でもない、絵の中で永遠性を得たいという思いを込めて制作しました。　(菅かおる)