この度の展示では、従来の女性像や猫を描いた作品に加え、新シリーズの作品を展示・発表します。作品を3つの窓（世界）に見立てた作品では、私たちにとって身近な存在である猫が、身の回りのありふれた色彩や日常の風景の中に紛れ込む様子を表現しました。作中の猫は窓枠を飛び越えて、それぞれの世界を自由に動き回ります。鑑賞者は3つの異なる世界を通じて、猫の存在が日常風景に与える意味や影響を感じ取ることができるのではないでしょうか。もう一つのシリーズでは、猫の持つ興味深い二面性を表現するために、左右で異なる猫と背景を描くことに焦点を当てました。日常に存在する色の組み合わせを用い、「光と闇」などの色の対比を通して猫の魅力を表現します。作品は、観る人によって思い思いに組み合わせを変えることができるため、個々の視点や感情によって解釈が異なり、新たな意味が生まれるのではと期待します。この機会に是非ご高覧くださいませ。(疋田正章)