「絵を描くこと、それは私と言う存在を確かな者にする、掛け替えの無い唯一の行為だ。しかし、制作は孤独で辛いことの方が多い。さらに扱いが難しく、一筋縄では行かない岩絵具に翻弄される毎日だ。それでも描き続けるのは、古来から使われている岩絵具や神聖な朱、独特の表情豊かな美しい風合いの和紙に魅了されてしまったからだ。さらに私の思考が岩絵具によって色を呈し、他者と共感できたならば、至上の悦びに変わる。願わくば、私の描く動植物達が作品の中で悠久の時を刻んで命を繋いで欲しい。そうすれば鑑賞者と対峙して会話する、不思議な空間にも変わるかも知れない。未だ未だだ。もっともっと絞り出せる。私の終わりの無い挑戦は続いて行く。」