梅田綾香 個展 ‐花隠れ‐

開催概要

場所
Gallery Seek Ginza
アーティスト
梅田綾香
タグ
作家来場日
12月2日(土)・3日(日) 各日13:00~17:00
内 容

骨と花で構成する『花隠れ』のシリーズは2016年から続いているものです。道端で命を落としコンクリート上で朽ちていく生き物から、もしその生き物が元々の生息地で、自然の摂理に従って死んでいたら、その姿はどうだっただろうか、そんなふとした想いから始まりました。生き物の生息地や習性を基に生前起こり得たストーリーを想像し、廻りゆく瞬間に咲かせる花を描いています。このシリーズを通じて、死生観、生き様について問いかけながら表現し続けています。
私が用いる蝋染めの技法はこのシリーズのコンセプトに結び付く重要な要素です。蝋染めは淡い色から染め、その色を残したい部分に蝋を浸透させ、徐々に濃い色を染め重ねていくことで複雑に描くことができます。この制作過程により白い骨から染め上がり、次第に骨の周りが色づき、花が明瞭になっていき、廻りゆく美しい瞬間を捉えるように染めあがります。生き物の骨とそこから咲き誇る花を、俯瞰する写真のような構図で描くことで、生と死の瞬間を追求しています。
今回の個展では、このシリーズで初めて大型作品に挑戦し、空間構成にも取り組みます。遺体が養分となり、骨と花が地上に残り、風化して自然と一体化するその先、未知の世界を思い描き、その境界を表現しました。地上と地下、表面と奥深く、生と死、現世とあの世といった対比を通じて、花隠れのシリーズの更なる展開を試みました。鑑賞者にはその両方に没入し、骨と花と共に狭間を漂うような感覚を味わっていただければ幸いです。

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