風の中を生きる小さな動植物と大きな自然とが織り成す、生命の息吹を描いています。 後日談のように清清しい想像が広がれば幸いです。 須藤和之 HP http://sutooo.net/

足元の名も知らぬ花も虫もこの壮大な宇宙に存在する一つの命であると思うと愛おしさが深まります。 長い時を経て自然の中から生み出された、人の感性と技の宿る和紙や古の人々の歌に、人と自然が紡いできた絆のようなものを感じます。 草花、鳥、宇宙、万葉歌に導かれながら、この美しさが永久に続いて欲しいと祈り描きます。

嬉しいこと、悲しいこと、どんなことがあっても、どんな天気の日でも、かならず四季はめぐり、草木の緑は、その折々にやさしい花で季節を知らせてくれます。 そこにあり続ける変わらない姿に力づけられ、やさしい気持ちになれることに、いつも感謝しています。

作家がモチーフを見つめる姿勢は、天文学者が夜空を見上げる意識と同じではないでしょうか。何気ないものにも宇宙を感じるような好奇心や観察力を、作家として死ぬまで持ち続けたい。

動物はペット的な可愛さだけではなく、毛並みや大きさや仕草、環境や能力に適した色、模様、体つきはとても面白いものです。動物達に出会い感じた思いや、ヒントをもらい、時には動物自体の美しさを前面に、時には動物が見せる仕草や格好からイメージをふくらませ物語を作ったり、また現実ではありえない「こんなことしていたら面白いな」と思う自身の願望(擬人化など)を描いたりし表現しています。中でも白くて大きな動物が好きで、シロクマやホワイトタイガーなど白変種を好んで描いています。動物を見て触りたいという衝動、そんなごく自然に湧き出る感覚、〝思わず触りたくなる画面〟動物達を通しそんな絵が描ければと思います。