新家未来作家インタビュー

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現在Gallery Seekで個展開催中の新家未来先生に、お話しを伺いました!

-.近年女性像を描く作家は増えてきていますが、新家先生も女性像をメインで描いていますね。

実りや生みの象徴としての女性像の表現を目指しています。生みの象徴とはすべての始まりであり、自らも生まれ、還り、また生まれる循環の象徴でもあります。そのような象徴としての女性像に、生に対する、つまりは、自然に対する尊敬や強い憧れ、自己投影願望の意味を込めています。

-.影響を受けた作家さんはどなたですか?

20世紀フランスで生まれたシュルレアリスムの画家、イヴ・タンギーです。

-.どういったところに?


何かを描いているようで何も描いていないようにも見える、それを説明してしまうとつまらないものにもなりそうな、不安定だけどもひたすらイメージの世界がいくらでも広がっていくようすは絵画としてとても憧れます。

-.日本画を描きながら、海外の作家に影響を受けたというのも意外ですが、新家先生の作品世界の一端が見えた気がします。そんな中で、何故日本画を選んだのですか?

はじめは、日本画のしなやかな線、余白の潔さ、岩絵具の光に当たった時の煌めきに魅力を感じ、学ぶことを選びました。しかし、日本画の世界を見ていくうちに、画材や精神論では説明できないくらい自由に変化していることを知りました。その変化は、今までの画家たちがその時代ごとで、日本画とは、芸術とは何か、向き合ってきた結果とも言えます。

なので、今この時代においての日本画とは何かを考え探すことが目的でもありそこが魅力に感じるところです

-.なるほど、最近は特に日本画・洋画の境界線も薄くなってきた感じがしますし、新家先生の作品もまた新たな変化が出てきそうですね。普段はどの様な手順で制作していますか?

ノートにちまちまと小下図を描いていて、その中から作品として作ったら面白そうなものを選んで、人物作品の時はモデルにポーズを頼むか、自分でポーズしてデッサンします。そのデッサンを元に原寸大で大下図を作っていきます。そこから紙を張り込み、下地を作って大下図を転写し描き始めます。骨描きをしてベースの色を置いていきますが、特に肌の表現は難しく、何度も重ねては洗ってを繰り返し画面から滲み出るような肌を目指し、描きこんでいきます


-.肌の質感は、お客様でも特に注目される事が多いポイントです。新家先生もやはり拘っているところなんですね。画材選びも難しいですか?

人物の肌に使う絵の具は一色では決まらないので何種類かの絵の具を塗っては乾かしを、繰り返し、洗ったり、上から薄い紙を貼り透かせてみたり、その時描いている絵に合うものを選んでいます。

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-.新家先生にとって、絵を描くとはどういう行為でしょうか?

不安を埋めるものであり不安を作り出すものです。

-.不安とは?

描いた作品を見てもらうことにより、社会と、人と、繋がれるような気がします。でもその途端足りなくなって不安になってもっと欲しくなってまた描きたくなります。

-.無限ループの不安が制作のモチベーションになっているんですね(笑)いつから絵の道を志そうと思ったんですか?

大学入学してからですそれまでは絵を描くことが好きで勉強してみたいなとは思っていましたが、正直よくわかりませんでした。しかし、大学で多くの作品、多くの作家として活動されてる先生方や苦労しながらも必死で制作し続けている先輩や同期と出会い、この世界で生きていきたいと強く思えてきました。

-.最近は愛知県芸の作家さんも活躍されている方も多いですから、作家活動のイメージも湧きやすいですよね。どうやって一日を過ごしているんですか?

今は働きながら制作しているので、主に休みの日を制作に使っています。

最近は朝の方が集中できるので、早起きして出勤前に作業してから行くことも多いです。締切に近いとどうしても家にこもりがちですが、なるべく一日の中で、本を読んだり、映画館や美術館へ行く時間をつくるようにしています。

-.アーティストとして生きることに不安はありましたか?

今でも不安に思います。それと同じくらいわくわくします。

-.まだまだ作家生活は始まったばかりですからね!今後の目標はありますか?

個展をやらせて頂いたばかりですが、また個展がしたいです。部屋中大きな作品で取り囲まれるような空間を作りたいです。

-.最後に作家として心がけている事はありますか?

これからもずっと作り続ける事です。

-.ありがとうございます!今後の作品も期待しております!