高津ゆい『いちについて… - うさぎと亀 -』個展ものがたり
まだ何も決まっていない一瞬——高津ゆい『いちについて… - うさぎと亀 -』
高津ゆい個展「ものがたり -Fables-」が、Gallery Seek/カレッタ汐留B1Fにて2026年6月19日(金)から6月27日(土)まで開催されている。古今東西の寓話を出発点に、動物たちが物語へ踏み出す瞬間を描いた本展から、『いちについて… - うさぎと亀 -』を紹介する。
H333 × W530 mm、木パネルに水彩紙を貼った横長の支持体。アクリルガッシュの不透明でマットな粒子が、リクガメの甲羅の鱗板一枚ずつの硬度と、野うさぎの毛並みが空気を含んで立ち上がる柔らかさを、同一画面に成立させている。
タイトルの「いちについて…」は、かけっこの号令「位置について、よーい、ドン」の冒頭部分。誰もが結末を知る「うさぎと亀」の寓話を枠組みとしながら、省略記号がその先の展開を断ち切っている。画面に描かれているのは勝敗ではなく、二匹が互いの視線を交わすその間合いに張り詰めた覚悟そのものだ。
1992年岐阜県多治見市生まれの高津ゆいは、愛知県立芸術大学大学院を首席修了。自然の形態に対する観察の厳密さを崩さず、色彩と表情に固有の物語を重ねる制作姿勢を一貫して保ってきた。日本橋三越本店、伊勢丹新宿本店、アートフェア東京への出展を重ね、Gallery Seekでは2022年、2025年に続く三度目の個展となる。
結末を知っているからこそ、始まる前の沈黙が重い。この一枚の先にどんな物語を走らせるかは、あなたに委ねられている。
¥198,000(税込)
▶ 作品詳細・お問い合わせ:https://art-scenes.net/ja/artworks/56082?gallery_id=9
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