Time Lodged in Cracked Tiles — Takeshi Harada Solo Exhibition “Fragments of Scenery”

2026.06.28

原田武 個展「断片の景色」

朽ちたタイルの罅に宿る時間——原田武 個展「断片の景色」

2026年7月3日(金)より、Gallery Seekにて原田武の個展「断片の景色」が開催される。会期は7月11日(土)まで。

原田武は1984年愛知県生まれ、現在は広島県安芸高田市を拠点に制作を続ける金属造形作家である。広島市立大学大学院芸術学研究科にて金属造形分野を専攻し、鍛金・彫金・鋳金の伝統的金工三技法を修めた。研究生、芸術学部協力研究員、銅蟲研究員としても研鑽を積んでいる。

その制作において原田が一貫して見つめ続けるのは、日常の中で見過ごされる断片だ。朽ち落ちたタイルの罅割れ、路傍の小さな生き物。一見して美しいとは言い難い風景の中に潜む、密やかな面白さや格好良さ。原田はそれらを銅板の上に再構成し、鑑賞者に「再発見」を促す。

着色技法も独自の領域にある。絵具は一切使用せず、硫化カリウムとの化学反応によって金属そのものを変色させる。酸化と腐食の進行度を繊細に制御することで生まれる色彩は、人為と自然の境界が溶解した、不安定で重層的な深みを持つ。写実的な再現にとどまらず、空間の空気感や余白までをも金属の表面に封じ込めようとする姿勢が、原田の制作を単なる工芸から切り離している。

2014年にTokyo Midtown Award グランプリを受賞し、代表作「群雄割拠」で広く知られるようになった。2016年には岡本太郎現代芸術賞に入選。ロンドンでのEAST-WEST Art Award、シンガポールのAffordable Art Fair、台湾のInfinity Japan、ハワイ大学アートプログラムへの招聘など、活動の地理的半径を広げてきた。しかしその視線は常に足元——誰もが通り過ぎてしまう断片へと回帰する。

本展「断片の景色」は、金属の中に刻まれた時間の記憶を辿る場となる。作家在廊日は7月3日(金)・4日(土)・5日(日)の13:00〜17:00。制作の思想に直接触れられる貴重な機会でもある。

原田武 個展「断片の景色」
会期:2026年7月3日(金)〜7月11日(土)11:00〜18:00(最終日17:00閉場)
会場:Gallery Seek(東京都港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留B1F)

▶ 作品詳細・お問い合わせ:https://galleryseek.jp/

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