Where Absence Becomes Image: Yu Uchida’s “fruit bowl 1”

2026.06.11

内田有 fruit bowl 1 / 個展POP-UP COUNTER

穴の集合が結像する果物皿──内田有《fruit bowl 1》

パンチングメタルに穿たれた無数の円孔。工業素材に刻まれた幾何学的な不在の連なりが、内田有の手を経て、知覚の実験装置へと変容する。

《fruit bowl 1》(2021)は、パンチングメタルと混合素材による壁面彫刻。H520 × W500 × D133 mm。19世紀末、スーラやシニャックが確立した分割主義——筆触の「点」を介して光を分解し、鑑賞者の網膜上で再統合させる手法を、内田は金属板の穴という物理的構造に読み替えた。

近距離で対峙すれば、色彩の断片が個々に分離し、穴の奥に透ける壁面の白が素材の冷たさと拮抗する。像は崩壊し、果物皿という日常的モチーフは消失する。しかし数歩退いた瞬間、脳がばらばらの色と光を自動的に再編集し、鮮やかなシルエットが立ち上がる。作品の完成地点は、金属の表面ではなく、見る者の知覚の内側にある。

東京藝術大学で鋳金を、同大学院でガラス造形を修めた後、英国University for the Creative Artsへ留学。帰国後はフジオ・プロダクション、手塚プロダクション、タツノコプロ、円谷プロダクション、チロルチョコ、MILKBOY HARAJUKUとのコラボレーションを展開し、国内外のアートフェアや展覧会に参加してきた内田有。ポップで軽やかな造形の表層に、社会の矛盾への問いをユーモラスに潜ませる手つきは、この《fruit bowl》シリーズにおいても一貫している。

個展「POP-UP COUNTER」は2026年6月13日(土)まで、Gallery Seek(東京都港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留B1F)にて開催中。会期残りわずか。ご自身の足で距離を測り、この果物皿を完成させに来てほしい。

¥660,000(税込)

▶ 作品詳細・お問い合わせ:https://art-scenes.net/ja/artworks/55717
▶ 個展詳細:https://art-scenes.net/ja/shows/1630
▶ Gallery Seek:https://galleryseek.jp/

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