Gallery Seek 取扱4作家 同時期個展のご案内(東京・大阪・神戸)2026年5月-6月
4つの個展、3つの都市——Gallery Seek取扱作家 同時期個展のご案内
5月下旬から6月上旬にかけて、Gallery Seek取扱の4名の作家が東京・大阪・神戸で同時に個展を開催する。それぞれが異なる素材と手法を携え、異なる都市の異なる空間に立つ。しかしその同時性の中に、ひとつの時代の空気が通底している。
Akira Terada「THE GLITCH -Assemblage-」
会期:2026年5月23日(土)~30日(金)
会場:Gallery Seek(東京・カレッタ汐留 B1F)
1枚の写真の中に手を入れる。範囲を選択し、回転させ、反転させ、歪ませ、重ねる。その操作を何層にも繰り返すことで、被写体は一度像としての意味を手放し、全く別の構造体として画面上に再び立ち上がる。建築デザインの修士課程で培われた空間の力学が、平面の内側に奥行きと緊張を生む。事象の反転と歪みに「GLITCH」と名付け、自らの手でPLAYしてきた世界線が交錯し、配置され、再構築されてゆく——その集積を「群勢(Assemblage)」と呼ぶ。デジタルの手法でありながら、一枚一枚に費やされる操作の反復は極めて身体的だ。写真とは何か、像とは何かという問いが、画面の奥から静かに立ち上がる。
田中ラオウ「絵画展 ~ANIMUS~」
会期:2026年5月20日(水)~26日(火)
会場:あべのハルカス近鉄本店 タワー館11階 美術画廊(大阪)
キャンバスの上を液状の色層が流れる。アクリルが水面のように広がり、そこに墨の線描が走り、交差し、滲み合う。その境界の揺らぎの中から、生命の輪郭が浮かび上がる。2014年、カリカチュア世界大会(ISCA Convention)で総合優勝を果たした写実の極点を持つ画家が、社会という鎧を一枚ずつ脱ぎ捨てた先で手にしたもの——それは、定義や分類を超えた純粋な生命の形だった。「ANIMUS」すなわち魂、あるいは生きとし生けるものの根源的な衝動。研ぎ澄まされた筆致と、制御を手放した色彩の流動。その両極が一枚の画面に共存するとき、描かれているのはもはや具象でも抽象でもなく、「生きている」という事実そのものだ。
武蔵原裕二「第二回 日本画展 ─飛んで、走って、泳ぐ─」
会期:2026年5月20日(水)~26日(火)
会場:神戸大丸 8階 ギャラリートアート(兵庫)
空を飛ぶもの。地を走るもの。水を泳ぐもの。そして、その領域を跨いで生きるもの。日本美術院院友・武蔵原裕二が、空・陸・水に暮らす動物たちを一堂に集める。岩絵の具と胡粉を幾層にも重ね、一本一本の毛を描き起こす毛描き技法。その筆の軌跡が生み出す質感は、画面の向こう側に体温と呼吸を感じさせ、見る者に「触れたい」という衝動を起こさせる。鉱物顔料が持つ物質的な存在感と、作家の執拗なまでの観察眼が結びついた画面には、動物たちが生きる環境の空気まで封じ込められている。郷さくら美術館にパブリックコレクションを持つ作家による、神戸大丸での初個展。
梅田綾香「光の在処(ひかりのありか)」
会期:2026年5月28日(水)~6月3日(火)
会場:東武百貨店池袋本店 アートギャラリー(東京)
蝋を置く。布を染める。蝋を剥がす。再び蝋を置き、染める。ろうけつ染めの工程は、防染と浸透の反復だ。その繰り返しの中で、染料は作家の意図を超えて布の繊維を伝い、滲み、広がる。制御しきれないその染料の軌道こそが、梅田綾香の絵画表現の核心にある。目に見えない世界——光が空間に満ちるその気配を、布という支持体の上に可視化する。伝統技法の内側から絵画の新たな地平を拓く試みは、三菱商事アート・ゲート・プログラム9回入選という実績が静かに裏付ける。蝋と染料と布、三者の対話が生む偶然と必然の交差点に、「光の在処」は現れる。
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Photo Glitch Art、アクリルと墨の絵画、岩絵の具による日本画、ろうけつ染め。4つの個展はそれぞれ全く異なるメディアを通じて、現代を生きる作家たちの今を映している。技法も素材も都市も違う。しかしそのいずれもが、作家が自身の手と眼と時間を賭けて世界に触れようとする行為であることに変わりはない。
この季節に、3つの都市で同時に立ち上がる4つの個展。そのどれかひとつに、あなたが今見るべき一枚があるかもしれない。
各展示の詳細・お問い合わせは Gallery Seek まで。