Black Foundation|田中ラオウ個展【閃】

2026.05.02

Black Foundation|田中ラオウ個展【閃】

田中ラオウ《Black Foundation》── 色彩の下に眠っていた、画家の骨格

田中ラオウの絵を見るとき、多くの人がまず色彩に目を奪われます。アクリル絵具が滲み合い、動物の躍動が画面の外にまで溢れるような──あの鮮烈な世界。しかし《Black Foundation》は、その色彩を意図的に封じた一枚です。

パネル上に在るのは、黒とシルバーのみ。白に見える毛並みは、厳密にはすべてシルバーの絵具で構成されています。色の層を取り去ったとき、そこに現れるのは画家のデッサン的骨格──毛の一本一本を追う手の精度、生き物の流動を捉える筆致の方向性と速度。田中ラオウが制作においてもっとも根源的と位置づける仕事が、装飾なしに開示されています。

「ファウンデーション=基礎・土台」という題は、そのまま本作の構造を言い当てています。流動性と生命の流れという、この画家のもう一つの根幹技法も惜しみなく投入され、色を引いた分だけ、筆致の圧、速度、間合い──画家の身体そのものがより直接的に伝わる構成となっています。

華やかさの対極にある行為です。地味で、根源的で、しかしこの層がなければ、あの色彩の奔流は成立しない。自身の絵の足元を観る者に差し出す──静かな、しかし揺るがない覚悟が、727×530mmのパネルに凝縮されています。

田中ラオウ個展【閃】、Gallery Seek(カレッタ汐留B1F)にて開催中。ぜひ会場にて、この画家の"土台"に立ち会ってください。

田中ラオウ《Black Foundation》
acrylic on panel / 20P(727 × 530 × 30 mm)/ 2026
¥660,000(税込)

▶ 作品詳細・お問い合わせ:https://art-scenes.net/ja/artworks/52452

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