金毛龍
田中ラオウ『金毛龍』── 横長のパネルを貫く、金色の一閃
acrylic on panel / 600×200mm
田中ラオウにとって、龍は一過性のモチーフではない。辰年にちなんで多数の龍作品を手がけてきた経緯はあるが、この画家が龍に繰り返し向き合う理由は暦の巡り以上に深い。
カリカチュアの世界で世界王者となり殿堂入りを果たした後、田中ラオウはそのキャリアの鎧を脱ぎ、己を掘り下げることから画家としての道を歩み始めた。動物をモチーフとするのは、生き方の純粋性や動きの躍動感に惹かれるから。描かれた動物の視線の先、画面の余白に、息遣いや動きの余韻が感じられるように——それがこの画家の一貫した制作姿勢である。
『金毛龍』は、600×200mmという横長パネルに描かれた一作。通常の比率とは異なるこの画面は、水平方向への視線の流れを生み出し、龍が画面を駆け抜けるような時間感覚を鑑賞者に与える。アクリル絵の具の層が持つ色彩の密度、そして筆致が画面に刻む速度。その両者が拮抗する場所に、田中ラオウの仕事の核がある。
鑑賞者がこの龍を見て何を感じるか——それは描いた本人の手を離れた瞬間から、見る者の領域に委ねられる。自らを投影し、心が奮い立つ感覚を覚える人がいるなら、この画家にとってそれが何よりの本望だろう。
Gallery Seekにてお取り扱い中。お問い合わせをお待ちしております。
---
