田中ラオウ「銀翔龍」|龍三部作・銀のモノトーン研究【個展 -閃- 残り2日】
銀に龍を沈め、銀で龍を起こす──田中ラオウ「銀翔龍」
銀の反射する背景の上に、銀の龍を描くこと。それは色彩の冒険であると同時に、自らに課した縛りの中でどこまで存在を立ち上げられるかという、画家の自問でもある。
田中ラオウの「銀翔龍(ぎんしょうりゅう)」は、龍三部作の中で最もモノトーンに徹した一枚だ。龍の腹部にわずかに落とし込んだグレーだけが、龍体を銀の背景から切り離す唯一の手がかりとなる。W600×H200×D30mmの横長フォーマットは、龍の水平方向への推進力を強調し、視線が画面を横断する時間の中で、同系色の内に潜む微妙な温度差が次々と立ち現れてくる。
2014年にカリカチュアの世界大会で総合優勝を果たし「誇張」の頂に立った田中ラオウは、2016年に画家へ転身。以来、アクリルと墨を駆使し、動物の躍動と生命の滲みを描き続けてきた。華やかな色彩を自在に操る力を持ちながら、この作品ではあえて銀の単色に自身を縛り上げている。装飾的に描く能力と、それを封じる禁欲。その拮抗が生む緊張こそが、この一作の核にある。
「田中ラオウ展 -閃-」は会期残り2日。2026年5月9日(金)まで、Gallery Seek(東京・カレッタ汐留B1F)にて開催中。龍三部作が揃う壁面の前で、銀翔龍のグレーが語る「在る」という静かな主張を、ぜひ目撃していただきたい。
キャンバス、アクリル|W600×H200×D30mm|2026|¥264,000(税込)
▶ 作品詳細・お問い合わせ:https://art-scenes.net/ja/artworks/52454
---
