梅田綾香「Shining Posy」個展光の在処5/28開幕
蝋が退き、光が残る──梅田綾香「Shining Posy」
蝋が冷えて固まった場所は、染料の侵入を拒む。梅田綾香の蝋染め(ろうけつ染め)は、この「拒絶」の設計から始まる絵画である。
熱した蝋を筆に含ませ、絹の上に走らせる。防染された白を残しながら、淡い色から順に染料へ浸す。再び蝋を置き、次の色を染め、また蝋を重ねる。何層もの工程を経て最後に脱蝋したとき、繊維の内部に色の地層が現れる。絵具を表面に載せる絵画とは原理を異にし、布の組織そのものが色を保持するため、絹の光沢が色層の奥から透過するように発光する。
新作「Shining Posy」は273×273mm、3号Sの正方形。蝋染め(絹、酸性染料)。「光を放つ小さな花束」を意味するタイトルは、モチーフであると同時に、この技法でしか到達しえない発光の質そのものを指している。重ね染めから生まれる発色の層が、掌に収まるフレームに凝縮された本展の鍵となる新作小品である。
梅田綾香は1993年広島県生まれ。広島市立大学芸術学部デザイン工芸科染織専攻卒業、同大学大学院修了。三菱商事アート・ゲート・プログラム計9回入選(全作品買い上げ)、ART TAIPEI・Affordable Art Fair Hong Kongなど国際アートフェアに継続出展。2021年 第1回 ARTIST NEW GATE にて Gallery Seek 賞を受賞し、以降継続的に個展を開催している。
個展「光の在処(ひかりのありか)」は5月28日(水)より6月3日(水)まで、池袋東武アートギャラリーにて開催。大型新作「Lingering Lights」(20号変形・菜の花と蝶)を筆頭に、「時明かり」(節分草)、「夕虹」(小鳥)、「翠影」(金魚)、そして「Whispers of Spring」「fragrant orange olive」「Violet Berries」「宵華」「Twin Blossoms」など、自然の気配を宿す染色絵画が一堂に並ぶ。絹に染め込まれた光の居場所を確かめる6日間へ、ぜひ足をお運びください。
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