内田有 個展「POP-UP COUNTER」
溶けかけたアイスキャンディーの中の、溶かせない問い——内田有「POP-UP COUNTER」
2026年6月5日(金)〜6月13日(金)
Gallery Seek(東京・銀座 汐留カレッタB1F)
ガラスの中に立つホッキョクグマは、アイスキャンディーの形をしている。棒まで付いている。手に取って舐めたくなるような色彩とプロポーション。だが、その透明な表皮を透かし見る数秒間に、視線の温度は変わる。
内田有は1979年東京生まれ。東京藝術大学大学院ガラス造形研究室を修了後、英国University for the Creative Artsでの留学を経て、ガラス鋳造とパンチングメタルという異なる素材を横断しながら、一貫して「表層と深層の落差」を主題に据えてきた。代表作《cool it》シリーズは、溶けかけたアイスの姿に北極圏の危機を重ね、大量消費社会の「かわいい」パッケージングの中に環境問題の刃を仕込む。フジオ・プロ、手塚プロ、チロルチョコなど多くの企業コラボで培われたポップの語彙が、ここではアイロニーの装置として機能している。
パンチングメタル作品では、金属板の穴越しに色面が重なり、鑑賞者の眼球内部で初めて混色が起きる。完成の瞬間は作家の手を離れ、観る者の身体に移譲される。「表面が明るければ明るいほど、裏にあるものの暗さが際立つ」という内田の哲学が、素材を超えて響き合う。
展覧会タイトル「POP-UP COUNTER」は二重構造だ。ポップアップショップの祝祭感と炭酸の弾ける刹那、そして消費社会への「反論(カウンター)」。6月5日・6日にはHARUNA協賛によるスパークリング試飲イベントも開催。緑茶スパークリングにおせんべい、紅茶スパークリングにクッキーやチーズ——内田有デザインのオリジナルコップで、作品世界と呼応するペアリングを体験できる。
泡は弾けて消える。しかし、問いは残る。
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