内田有「cool it (division) smile away yel-vio」— ポップな皮肉が問う消費社会 | Gallery Seek

2026.06.10

内田有「cool it (division) smile away yel-vio」— ポップな皮肉が問う消費社会 | Gallery Seek

(日本語)
タイトル: 笑顔が隠す社会への反論——内田有《cool it (division) smile away yel-vio》|個展「POP-UP COUNTER」開催中

一見すると、ただのかわいいキャラクター作品に見える。でも、しばらく見ていると気づく。シロクマが笑っているのか、溶けているのか、わからなくなる。

内田有(Yu Uchida)の新作《cool it (division) smile away yel-vio》は、黄色とバイオレットという補色の色面がパンチングメタルの無数の穴を通じて重なり合い、見る角度によって色調が微妙に変化する立体作品だ。

東京藝術大学でガラス造形と鋳金を修め、イギリス留学を経てコンセプチュアルなアプローチを深めた内田氏の代名詞、それが《cool it》シリーズだ。温暖化で居場所を失いつつあるホッキョクグマを溶けかけたアイスキャンディーの姿に見立て、大量消費社会と環境問題への皮肉を鮮やかな色彩の裏側に潜ませる。

本作の英語タイトル「smile away」は、その笑顔を持続させながら問題を遠ざけようとする人間の行動を暗示している。ポップで愛らしい表面ほど、背後にある暗さが際立つ——作家の意図は色の対比そのものに組み込まれている。

補色のイエローとバイオレットが、パンチングメタルの無数の孔を通じて視覚的に混ざり合い、見る角度ごとに色調が揺れ動く。その揺らぎの中で、大きく口を開けて笑うシロクマが、笑顔とも皮肉ともつかない表情を浮かべ続ける。溶けかけた形は「cool it(頭を冷やせ)」という社会へのカウンターそのものだ。

会場では実際に動画でその揺らぎを体感できる。ぜひ多方向から眺めてほしい。

■ 内田有 個展「POP-UP COUNTER」
会期:2026年6月5日(金) ~ 6月13日(土)
会場:Gallery Seek カレッタ汐留B1F(東京都港区東新橋1-8-2)
アーティスト来場:6/5・6/6・6/12・6/13

▶ 作品詳細・お問い合わせ:https://art-scenes.net/ja/artworks/55741
▶ 個展詳細:https://art-scenes.net/ja/shows/1630
▶ Gallery Seek:https://galleryseek.jp/