作品について
二曲の屏風に、黒と金の宇宙的な広がりが描かれる。白い円が大小さまざまに浮かび、細い線で結ばれて網目をつくる。左面には金と桃色の渦が流れ、右面では白い球が密集して銀河のように連なる。 【作品について】 2014年の個展「アクロス ザ ユニバース」(Gallery PARC)に連なる主題を、二曲屏風で展開した一点。当時の個展では全長14メートルに及ぶ16曲屏風「両面自立画」を空間に横断させ、照明と自然光の変化で鑑賞させる展示が試みられた。本作もまた、置かれた場所の光によって見え方が変わることを前提としている。 【モチーフについて】 菅は「水を描いていると宇宙的なものと繋がっていくように感じるんです。小さい世界の一部を拡大して見ていくと小さいものに大きいものが全部含まれてるような感覚になります」と語る。水の泡と星団とが同じ形で描かれるのは、この感覚に基づく。「古代の人は海の底と空が繋がっている、という考え方を持っていた」という言説にも触れており、水中と宇宙とを地続きに捉える視点が画面を貫いている。 【素材・技法について】 雲肌麻紙に天然岩絵具と箔。白い円は胡粉を厚く置いたもので、大小と濃淡を変えて重ねられる。円を結ぶ細線は白の極細線で、離れると網状の構造に見える。背景の金は箔によるもので、その上に暗色の絵具を重ねることで、金が奥から滲み出るように見える。 【見どころ】 二面が角度をなして立つため、正面からは見えない部分が生まれる。「自然が生み出した豊かな曲線も法則的な直線も、等しく有機的なひとつの世界に包み込まれています」という菅の言葉どおり、曲線の渦と直線の網とが同じ画面に共存している。
菅かおるの作品