作品について
素材に使用したティーカップは、高祖父にあたる志水禄之助が手がけたものです。作られたのは120年ほど前と伝わりますが定かではなく、世代を越えたコラボレーションとなりました。志水禄之助は優れた絵付の技術で知られた名画工で、瀧藤商店時代の1883年頃に倒産の危機にあった同店をその腕で再建に導きましたが、1892年頃にヴァンタイン商会が名古屋に出張所を設けたことと、当時の貿易物の輸出不況とが重なり瀧藤商店を辞め、西瓦町に志水禄之助商店を設立、1940年頃まで操業していたといいます。器の裏印にはイニシャル「R.S」と日の出(RISING SUN)のマークに「JAPAN」の文字が入っています(右下ロゴ内の表記:RS / JAPAN)。 【作品について】 金彩と鶴の意匠をあしらったアンティークの器(カップ&ソーサー)に、水色のブリドリーと小花をあしらった立体作品です。日常の器と作家のキャラクターが出会い、物語のひと場面のような小さな世界をつくり出しています。 【見どころ】 古い器がまとう時間の蓄積と、「時間の象徴」であるブリドリーの取り合わせ。ブリキのおもちゃがもつ「記憶が染みついた感じ」という作家の美意識が、立体にも息づいています。繊細な絵付けと、ちょこんと収まるブリドリーの愛らしい表情の対比をお楽しみください。
志水堅二の作品