高津ゆい Yui Takatsu
青衣 – 鶴の恩返し –
Blue Robe -The Crane's Return of Kindness-
| 制作年 | 2026 |
|---|---|
| 技法 | アクリルガッシュ、木パネルに水彩紙 |
| サイズ | H515 × W364 mm |
| 作品タイプ | ユニーク |
作品について
【作品概要】 一枚の織物のように静謐な画面の中に、アネハヅルと「鶴の恩返し」の物語が重なり合います。青みを帯びた衣をまとうかのような鶴の姿は、昔話の中で機を織る娘の正体——鶴そのものを思わせます。タイトル「青衣」が示すとおり、青を基調とした色彩が画面全体を包み、凛とした空気感を生み出しています。日本の説話が持つ静かな哀しみと、アネハヅルの気品ある佇まいが一つの画面に溶け合い、物語の余韻をたたえた一作です。 【モチーフについて】 アネハヅルは、世界最小の鶴として知られ、ヒマラヤ山脈を越えて渡りをすることでも有名な鳥です。高津ゆいが繰り返し描いてきたモチーフであり、作家自身が「気に入っていていつもモチーフにする」と語るほど、深い愛着を持って向き合っている存在です。その華奢でありながら力強いアネハヅルの姿を、日本の昔話「鶴の恩返し」と組み合わせることで、鶴という存在が持つ献身や儚さといった物語的な奥行きが加わっています。 【タイトルについて】 「青衣(せいい/あおぎぬ)」という言葉は、青い衣服を意味すると同時に、能や古典芸能で登場人物の性格や立場を示す装いを連想させます。鶴の恩返しの娘が身にまとう衣と、アネハヅル特有の灰青色の羽衣が、このタイトルの中で重なり合い、一羽の鶴が物語の登場人物へと変容していく瞬間を暗示しています。 【素材・技法について】 木パネルに水彩紙を貼り、アクリルガッシュで描かれています。アクリルガッシュの不透明でマットな質感は、絹織物のような柔らかさと、日本画的な落ち着いた画肌を画面にもたらしています。36.4×51.5cmの横長の構図が、物語の一場面を切り取った絵巻のような広がりを感じさせます。
高津ゆいの作品