作品について
波打ち際と水平線のみで構成される「匿名の地平線」シリーズの一作。具体的な地名や人物を排した匿名性の高い画面は、鑑賞者それぞれの記憶や想いを受け止める「記憶の再生装置」として構想されている。本作では黄色の色彩が海景全体を包み、光や時間帯の移ろいを感じさせる独特の空気感を生んでいる。油彩によるP80号の画面に、写実的な筆致で水面の揺らぎと光の反射が丹念に描き込まれている。 波打ち際と水平線だけで画面を構成した「匿名の地平線」シリーズの一点。青を基調とした油彩がパネル上に重ねられ、寄せては返す波の質感と、遠景へ溶け込む空と海の境界が静謐な奥行きを生んでいる。人物や構造物など具体的なモチーフを一切排すことで、鑑賞者自身の記憶や感情を投影させる「記憶の再生装置」として機能する海景である。
中島健太の作品