作品について
シーラカンスの輪郭をかたどった変形パネルに描かれた日本画作品。千葉史織は、自身の内面に留めておきたい「一瞬の現象」を画面に定着させることを制作の核としており、本作でもその姿勢が通底する。古生代から姿を変えずに深海を漂う生物のかたちを支持体そのものに採用することで、作品の輪郭自体が時間の堆積と保存の主題を担う。金箔や岩絵具といった日本画材による色彩が、小さな魚型の画面のなかに凝縮されている。 シーラカンスの輪郭をかたどった変形パネルに、日本画の素材で描かれた一作。W107×H51cmの横長の魚体が、絵画の矩形という慣習から離れ、モチーフと支持体を一体化させている。千葉が近年取り組む海洋生物型の変形パネルは、内面に保存された「一瞬の現象」を生き物のかたちそのものに宿らせる試みであり、金箔や岩絵具による質感が古代魚の鱗や深海の光を想起させる。
千葉史織の作品