作品について
一本の角を持つ幼子が、丸みを帯びた体躯で静かに佇む。ブロンズの重厚な質感と柔らかな造形の対比が、神話的な存在でありながら親しみやすい印象を与える。掌に収まる小ぶりなサイズながら、確かな存在感を放つ一作。 一角獣(ユニコーン)の姿を借りた小像は、丸みを帯びた体躯と短い四肢がどこか童子像を思わせる。額から伸びる一本の角と穏やかな目鼻立ちが、西洋の幻獣を日本の造形言語へと読み替えている。寄木造の木彫原型からブロンズへ鋳造される工程が、微細な毛並みや肌の起伏を精緻に写し取り、手のひらに収まる寸法の中に密度ある量感を生み出している。「やまとぢから」を主題とする仏像修復研究に根差した造形の確かさが、遊戯的な主題の奥に静かに息づく。
籔内佐斗司の作品