作品について
蝋染めの技法により、綿布に反応性染料で染め上げた正方形の小品。星を眺める春の情景が、蝋によって防染された白い線と染料の滲みによって表現されている。布地特有の柔らかな質感が、夜空の静けさを伝える。 綿布に蝋染めで定着された春の夜景が、小さな画面の中に静かに広がる。蝋による防染と反応性染料の浸透を繰り返すことで、星空を見上げる情景が布の繊維の内側から発色し、柔らかな色層の重なりを生んでいる。模様の中に風景を閉じ込める更紗的構成を手がかりに、自然の気配を一枚の布へと凝縮した一作である。
梅田綾香の作品