作品について
夕暮れどきの空気がそのままパネルの上に閉じ込められたような一枚です。タイトルの「ゆうぐれどきに」は、昼と夜のあわいにだけ現れる、あの曖昧で親密な時間帯を指しています。輪郭がやわらかく溶け出すような色彩の重なりが、日が沈みかける数分間の移ろいを静かに捉えています。 W22×H33.3cmの縦長のパネルに、アクリルガッシュの確かな発色とパステルのやわらかな質感が共存しています。アクリルガッシュによるマットで密度のある色面の上に、パステルがふわりとのせられることで、光が拡散するような空気感が生まれています。奥行き3cmのパネル側面まで色が回り込んでおり、額装なしでも絵がそのまま空間に浮かび上がるような存在感があります。 一日のなかでもっとも色が豊かに揺れる夕暮れどき——その束の間の光景に足を止めた記憶を、見る人それぞれのなかに呼び起こしてくれる作品です。
高津ゆいの作品