作品について
綿布を張ったパネルにアクリル絵具と油絵具を用いて描かれた作品。「MEISAI」シリーズの一点として、迷彩を想起させるタイトルのもと、複数の絵具層が重ねられている。縦長の小型パネルに凝縮された色面が静かな緊張感を生み出す。 パネルに張られた綿布の上で、アクリル絵具の硬質な層と油絵具の粘りある層が重なり合い、人物の輪郭が色彩の中へ溶け込んでゆく。描画と「壊し」を繰り返す工程が画面に偶然性をもたらし、絵具の凹凸やとろみのある質感が独自の物理的存在感を生んでいる。周囲に埋もれることへの不安と安心——そのアンビバレンスを、曖昧に抑えられた表情が鑑賞者自身の感情として浮かび上がらせる。
米村太一の作品