岡﨑実央 Mio Okazaki
ANTONIO INOKI OCTOPAS HOLD
| 制作年 | 2024 |
|---|---|
| 技法 | Acrylic on Canvas |
| サイズ | H727 × W727 × D60 mm |
| 作品タイプ | ユニーク |
作品について
【作品について】 アントニオ猪木のオクトパスホールド(卍固め)をキュビズムの手法で描いた一作。ピンクの有機的な曲線で構成された上部の形態と、水色の渦巻く手足が画面下部で絡み合い、技を掛ける側と受ける側の身体が一体となって正方形のキャンバスに収められている。オレンジ、グレー、黒、ピンク、水色といった限られた色面が幾何学的に組み合わされ、複数の顔が異なる角度から同時に現れる構成は、リングサイドの各方向から見た闘いの姿を一枚に凝縮するという作家の方法論そのものである。 【キュビズムとプロレスについて】 「プロレスや格闘技はリングを中心に360度を観客が囲んでおり、席によって見え方が異なり、それぞれの席・視点に良さがあります。そこで、ピカソやブラックが発展させたキュビズムを用いて闘いを描きました。すると、多くの角度から見た美点を自由自在に表現できました。」と作家は語る。本作でも、技を掛けるレスラーの顔が左上と右下の二箇所に現れ、腕や脚の角度が物理的には矛盾する方向へ伸びている。これは一つの視座では捉えきれないオクトパスホールドの立体的な迫力を、複数の視点から同時に提示するためである。 【正方形のキャンバスについて】 作家は描く競技に合わせてキャンバスの形状を変えており、プロレスのリングに見立てる場合は正方形を選ぶ。本作のS20号(727×727mm)という正方形フォーマットもまた、四方をロープで囲まれたリングそのものの暗示として機能している。 【見どころ】 画面に散りばめられた丸い「ボタン」のような円形モチーフにお気付きでしょうか。身体の各所に配された同心円は、関節の可動点を示すかのように画面全体にリズムを生み出している。また、下塗りとして残されたグレーの色面は、プロレスにおける「ガチか仕込みか白黒つけないグレーな部分」を色彩に反映させるという作家の意図が込められている。
岡﨑実央の作品