岡﨑実央の作品一覧

岡﨑実央 Mio Okazaki

DOUBLE ARM SUPLEX

制作年2024
技法Acrylic on Canvas
サイズH1455 × W1455 × D30 mm
作品タイプユニーク
SOLD

作品について

【作品について】 画面いっぱいに二人のレスラーが絡み合い、一方がもう一方を豪快に持ち上げるダブルアーム・スープレックスの瞬間が描かれている。ピンク、ライラック、ゴールド、オレンジ、黒といった多彩な色面が幾何学的に分割・再構成され、腕、脚、顔、指先が複数の角度から同時に画面へ押し込まれている。背景のクリーム色の余白には「HELL YEAH」「WoW」「GET UP!」「NON」などの文字がフリーハンドで赤や黒のインクによって走り書きされ、観客席から飛び交う声援がそのまま視覚化されたかのような臨場感を生み出している。正方形のキャンバスはプロレスのリングに見立てられており、S80号(1455×1455mm)という大画面が技のスケール感を体感させる。 【ダブルアーム・スープレックスというモチーフについて】 ダブルアーム・スープレックスは、相手の両腕をロックしたまま後方へ反り投げる大技である。投げる側と投げられる側の身体が複雑に絡み合い、上下が反転するこの技は、キュビズムの手法——多角的な視点を一枚の画面に収める——と相性が良い。画面上部に逆さまに配された「GET UP!」の文字は、技を受けて反転した身体の方向性と呼応し、リングサイドの熱狂と空間の転倒を同時に表現している。 【技法について】 アクリル絵具によるキャンバス作品で、ピカソやブラックが発展させたキュビズムの手法が用いられている。プロレスはリングを360度観客が取り囲み、席ごとに見え方が異なる競技であり、その「多くの角度から見た美点を自由自在に表現」するためにこの技法が選ばれている。文字は下書きやレタリングを行わずフリーハンドで描き込まれており、写真や映像では伝えきれない「自由な声援」やスナップ音、カウントなどのライブ感、混沌としたエネルギーを画面に定着させる意図がある。また、レスラーの体の各所に見えるグレーの色面は下塗りをあえて残したもので、プロレスの「ガチか仕込みか白黒つけない」グレーな部分を色彩に反映させている。 【見どころ】 画面の周縁に散らばる文字の向きにお気付きだろうか。「HELL YEAH」は左上から正位置で叫び、「GET UP!」は天地が逆転し、「DOUBLE ARM SUPLEX」は左下から右下へと画面を横断する。これらの方向の混在が、リングを囲む四方の観客それぞれの視点を暗示し、一枚の絵の前に立つ鑑賞者自身もまた、リングサイドの一席に座っているかのような体験へと誘う。

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