作品について
銅、銀、真鍮、アルミニウムといった金属素材によって構成された本作は、森に棲む生き物の姿を鍛金・彫金の技法で立体化したものである。原田は幼少期に自然の中で動植物を観察した記憶を制作の起点とし、それを金属という堅牢な素材に置き換えることで、記憶の中に静止した生命の像を定着させる。硫化カリウムや火焔酸化による化学着色が金属表面に深みのある色調を与え、素材そのものの質感と相まって、生き物が持つ存在感を静かに浮かび上がらせている。2023年の制作にあたりアクリルを併用している点にも、表現の幅を広げようとする姿勢がうかがえる。
原田武の作品