岡﨑実央の作品一覧

岡﨑実央 Mio Okazaki

LEFT CROSS

制作年2023
技法Acrylic on Canvas
サイズH606 × W606 × D60 mm
作品タイプユニーク
SOLD

作品について

【作品について】 白地のキャンバスの中央で、青と赤のボクシンググローブが激しくぶつかり合う。左側から突き出される青いグローブと、右側から迎え撃つ赤いグローブ——その衝突の中心に、幾何学的に分解された二人のファイターの顔や身体のパーツが折り重なる。背景にはフリーハンドで描かれた「LET'S GO」「COME ON」「STAND」といった英語の文字が、画面の四方から渦を巻くように書き込まれている。タイトル「LEFT CROSS」はボクシングにおける左クロス(左のクロスカウンター)を指し、まさにその一撃が放たれた瞬間を捉えた構図となっている。 【キュビズムによる格闘技の表現について】 本作では、ピカソやブラックが発展させたキュビズムの手法が用いられている。格闘技は「リングを中心に360度を観客が囲んでおり、席によって見え方が異なり、それぞれの席・視点に良さがあります」と岡﨑は語る。この考えに基づき、複数の角度から捉えた身体の形を一つの画面上に再構成することで、写真や映像では伝えきれない多角的な臨場感が表現されている。正方形のキャンバス(S12号)はリングの形に見立てたものであり、格闘技の舞台そのものが作品のフォーマットに反映されている。 【フリーハンドの文字について】 画面を取り囲むように散りばめられた文字は、下書きやレタリングを一切行わずフリーハンドで描かれている。この手法は「きっちりしたものを壊すこと」であり、「写真や映像では伝えきれない観客の自由な声援や、スナップ音・カウントなどのライブ感、混沌としたエネルギーを表現するため」のものである。実際に画面を見ると、文字のサイズや角度、太さにばらつきがあり、観客席から飛び交う歓声がそのまま視覚化されたかのような効果を生んでいる。 【見どころ】 画面下部や背景に残るグレーの領域にお気付きでしょうか。これはプロレスや格闘技における「ガチか仕込みか、白黒つけないグレーな部分」を色彩に反映させたものである。鮮やかな青・赤・オレンジ・黒のコントラストの中に、あえて残されたグレーが、この作品に独特の奥行きと余韻を与えている。

岡﨑実央の作品

And More