作品について
波打ち際と水平線のみで構成される「匿名の地平線」シリーズのアーカイバル版画作品。具象的な要素を排し、青の階調だけで海景を凝縮することで、鑑賞者それぞれの記憶や想いを投影できる余白を生み出している。中島健太が同シリーズに込めた「記憶の再生装置」という意図を、29センチ四方の正方形フォーマットに凝縮した一点である。 波打ち際と水平線だけで構成された海景が、静謐な青のグラデーションの中に広がる。アーカイバル版画として再構成された本作は、油彩原画の繊細な筆致と光の階調を29cm四方の画面に凝縮している。「匿名の地平線」シリーズは具体的なモチーフを排し、鑑賞者自身の記憶や情景を投影させる「記憶の再生装置」として構想された作品群であり、匿名性がそのまま普遍性へと転じる海の静けさが画面を支配している。
中島健太の作品