原田武の作品一覧

原田武 Takeshi Harada

珠

gem

制作年2019
技法純銀、真鍮、ステンレス、錫、色箔
サイズH300 × W330 × D300 mm
作品タイプユニーク
PRICE (TAX INCL.) ¥946,000
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作品について

建築物の表面が持つテクスチャーを球体へと再構成した作品。鍛金や彫金といった伝統的金工技法を駆使し、純銀、真鍮、ステンレス、錫、色箔という異なる金属素材を一つの球形に統合している。原田武の制作の多くは身近な自然や記憶に根ざした写実的モチーフを扱うが、本作はそこから離れ、建築的な構造や質感を抽象的に探求した実験的な一点である。塗料を用いず、化学着色や金属固有の色調によって生まれる表面の変化が、凝縮された風景のように球体の上に広がる。 【作品について】 「珠」は、純銀、真鍮、ステンレス、錫、色箔といった複数の金属素材を組み合わせて制作された立体作品である。W33×H30×D30cmという手に取れるほどの空間の中に、金属が持つ固有の色味と質感が凝縮されている。タイトルの「珠」が示すように、球体あるいは丸みを帯びたフォルムが作品の核をなし、異なる金属素材それぞれの表面が、光の当たり方によって微妙に異なる表情を見せる。 【素材・技法について】 本作に用いられている純銀、真鍮、ステンレス、錫、色箔は、それぞれ固有の色と質感を持つ素材である。原田武の制作では、塗料を一切使わず、すべて金属素材の地色や化学変化によって色彩を生み出すことが一貫した手法となっている。本人は「素材を限定することによって得られる表現を目指しています。全て金属で形を作るだけでなく色も金属の化学変化で発色させることによって表現しています」と語っており、本作でもその原則が貫かれている。鍛金によって金属板を金槌で叩き成形し、必要に応じてTIG溶接や銀鑞付けでパーツを接合する。錫はバーナーで炙ることで独特の風合いが生まれ、色箔は色彩の幅を広げる役割を果たす。純銀の柔らかな白、真鍮の黄味、ステンレスの硬質な光沢、錫の鈍い輝き——これら異なる金属の色が一つの作品の中で共存し、見る角度や光の条件によって印象が変化する。 【見どころ】 本作は2019年の制作で、原田が金属造形を通じて追求してきた「日常に潜む断片から時間の記憶を刻み込む」という姿勢が、球体という普遍的な形態の中に凝縮されている。5種類の金属素材が一つの「珠」としてまとまる様子は、異なる質感の対比を楽しむことができる作品である。正面からだけでなく、ぐるりと角度を変えながら、光を受けた金属表面の色の移り変わりをぜひ観察していただきたい。

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