STATEMENT
母を亡くした経験と自身の子育てをきっかけに、「記憶」をテーマに制作しています。 人の身体は時間とともに成長し老いやがて消えていく不確かなものですが、衣服は当時の記憶をとどめながら身体の代わりとして残り続けます。 私の作品では、古い写真をカラーに加工し、透ける布に印刷します。そしてその衣服の部分に刺繍を施し、背面に同じ写真を配置することで、実体として残る衣服と、身体の曖昧さを表現しています。 古い写真からは、歴史的な大きな物語ではなく、小さな家族の物語を見ることができます。その写真からは、普遍的な人々の生活を感じ取り、観る人との間に共通の物語が立ち上がります。 私は元々彫刻を表現の軸としていましたが、育児と制作を両立させるために刺繍に辿りつきました。針を繰り返し刺していくことは、鑿で木を彫る感覚と似ており、音がせず中断や再開がしやすい刺繍は育児と相性がよいことがわかりました。刺繍を含む手芸が、女性に受け継がれてきたことに納得し、女性の低賃金労働でもあった歴史を知りました。私は、かつての女性たちが育児をしながら刺繍に励んでいた姿を想像します。今よりも女性の権利が制限されていた時代、彼女たちは何を感じ、どう生きていたのでしょうか。母として、女性としてどのような想いを刺繍にこめていたのでしょうか。 そうした過去の女性たちへの想いが、刺繍という技法に私を惹きつけ続けています。私は作品を通してかつて生きた女性たちに思いを馳せ、また励まされながら制作をしています。
PROFILE
2012年 日本大学芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程修了 2017年 ドイツ カッセル芸術大学 Norbert Radermacher クラスに研究生として在籍 【アーティスト・イン・レジデンス】 2011年 BankART Studio NYK 森塾として滞在 2013年 滋賀県立陶芸の森 スタジオアーティストとして滞在 2018年 BOX HILL community arts centre(メルボルン)
WORKS
5 works
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Love letters 2
¥132,000 -
Unsung memory -My boy-
¥66,000 -
Unsung memory -Dinner party-
¥616,000 -
Unsung memory -Xmas-
¥539,000 -
Unsung Memory -Women-
¥990,000