Blog

Prev

Next

友田恵梨子日本画展 - 万の言の葉 -

2026.01.01

友田恵梨子日本画展 - 万の言の葉 -:1300年の時を超えて繋がる美と祈り

鳥取県に移住し、自然と共生しながら創作を続ける日本画家、友田恵梨子氏の個展が開催されます。本展は、新元号「令和」の出典元としても注目された**『万葉集』**をテーマに、悠久の時を経て現代へと繋がる生命の輝きを描き出す、極めて重厚で見どころ溢れる内容となっています。

1. 展覧会のコンセプト:万葉集と「今」を繋ぐ

友田氏は、2019年に元号が「令和」となった際、その出典である万葉集のたおやかな感性に深く感銘を受けました。以来、万葉集を手に取り、1300年前の人々が注いだまなざしや営みを、自身の絵画を通して現代、そして未来へと繋ごうとしています。

今回の展示では、日本文化に造詣が深く、翻訳賞の受賞歴もあるピーター・J・マクミラン氏による英訳と共に万葉歌を世界へ発信する構想の一部として、10点余の新作が発表されます。

2. 素材へのこだわり:因州和紙が紡ぐ伝統と自然

友田氏の作品の大きな特徴は、自身の制作拠点である鳥取県の伝統工芸**「因州和紙(因州青谷楮紙)」**を主軸に用いている点です。

  • 自然との繋がり: 和紙は植物の繊維、水、そして人の技と歴史が結晶した素材であり、友田氏はそこに「自然、人、物、技術、文化、歴史の繋がり」を見出しています。
  • 地産地消の意識: 産地の職人と向き合い、素材の歴史的背景を汲み取りながら制作することは、彼女にとって画家としての醍醐味でもあります。
  • 独自の技法: 下絵の上に因州和紙を貼り、透けて見える層を活かしながら加筆するなどの技法を用い、和紙の素材感を活かした深みと奥行きを表現しています。

3. 描かれるモチーフ:多岐にわたる「美」の形

友田氏の制作するシリーズも紹介します。

  • 「万葉集」シリーズ: 鶴、鶯、ホトトギス、ユリ、月など、歌に詠まれた情景を繊細に描写した作品群。
  • 「百波(びゃくは)」: 寄せては返す波に繰り返される生の営みを重ねた、作家の核となるシリーズ。
  • 「Resilience(白龍)」: 困難に立ち向かうしなやかな強さと復活への祈りを込めた龍のシリーズ。
  • 宇宙と花鳥: 足元の花に宇宙の広さを想像し、一瞬の尊さを描く花鳥画。

4. 特別イベント:ピーター・J・マクミラン氏との対談

会期中には、万葉集を世界へ広める活動を共に行う日本文学者・翻訳家のピーター・J・マクミラン氏を迎え、アットホームなトークイベントが開催されます。作品に込められた想いや、万葉集が持つ普遍的な魅力について深く知ることができる貴重な機会です。


展覧会情報

  • 会期: 2026年1月9日(金)~17日(土)
  • 作家来場日: 1月13日(火)、14日(水)
  • トークイベント: 1月13日(火) 17:00~18:00
    • 出演:友田恵梨子 × ピーター・J・マクミラン

【作家略歴】 神奈川県茅ケ崎市出身。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、デザイナーを経て画家に転身。2017年に鳥取へ移住。2025年には日本和文化グランプリ優秀賞を受賞し、新造豪華客船「飛鳥Ⅲ」への作品提供やニューヨークのアートフェアに参加するなど、国内外で高く評価されています。


1300年前の言の葉(ことのは)が、友田氏の瑞々しい感性と手漉き和紙の力によって現代に蘇るこの空間を、ぜひ会場でご体感ください。